現状、焼け付くようなのどの痛みで食事や水分の摂取もままならず、「私は軽症などではない」と思われる症状の方も多いのですが、重症度分類の定義では「レントゲンやCTなどの画像の所見で肺炎が見つからず、呼吸の苦しさがなく、酸素の数値(酸素飽和度)下がっていない」場合、定義上は「軽症」に分類されてしまうのです(※1)

「20代前半の男性がしんどさで救急車を要請、どこも搬送を断られ、やっとの思いでたどり着いた遠方の病院で軽症と判断され風邪薬だけ処方されて帰宅」という話を耳にしたこともあります。

 残念ながら先述したように若い方で軽症の方にとっては、新型コロナに対してそこまで劇的な効果のある薬はなく、解熱鎮痛薬(ロキソニンなど)の市販薬でも十分に代用できるものが多いからです。

 また「どこに電話しても予約がとれない!」という場合は、オンライン診療を利用するのも一つの手でしょう。抗原キットで陽性であれば、そちらを担当医に見せてください(研究用のキットは除く)。

 検査をしていなくても、家族に濃厚接触者がいる場合に発熱やのどの痛み等の症状が出現した場合は疑似症(みなし陽性)として保健所に届け出ることが可能です。

厚生労働省が紹介しているオンライン診療対応機関リスト
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/rinsyo/index_00014.html

 現在受診する病院がなく途方に暮れている方も多数いると思いますが、新型コロナウイルス感染症の軽症の場合は、劇的に著効する薬の処方をしてもらえるシチュエーションは多くなく、市販薬で代替することも可能ですし、都道府県の制度やオンライン診療を利用する選択肢もあります。

 もちろん万が一というケースも実際に存在するため、医療機関の受診ができた方が安心ですが、自身の重症化リスクやワクチン接種の状況を鑑み、さまざま選択肢があることを頭の片隅に入れておいてください。

【出典】
※1 https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2021/09/1630914994.pdf