「ペロシ氏の飛行機を撃墜すればいい」中国ネットは大盛り上がり

 中国国内ではペロシ議長の訪台を前に、中国共産党中央委員会機関紙「人民日報」の傘下タブロイド紙の編集長だった胡錫進氏がツイッターでこうつぶやいて議論を巻き起こした。

「もし米国の戦闘機が、ペロシ氏が乗った飛行機を護衛して台湾に入れば、それは侵略だ。中国人民解放軍にはペロシ氏の飛行機と米軍戦闘機に対し、威嚇射撃や妨害戦術を採り、強制的に排除する権利がある。効果がなければ、撃墜すればいい」

 これが中国内の激しい「ペロシ来る」ムードに身構えていた中国の「愛国者」たちを鼓舞し、「その撃墜の瞬間」を期待する声でお祭り騒ぎになった。

 だが、ペロシ議長が無事に台湾に到着し、順調に蔡英文総統と会談し、何事もなく台湾での日程を済ませて日本に向かうや、中国のネットには激しい失望が巻き起こった。「もう二度とSNSはやらない」と宣言する人や、カメラに向けて涙ながらにひたすら怒りを爆発させる動画なども流れ、大真面目なご当人には申し訳ないが、はたから見る限りは笑うしかない。

 その怒りの矛先は当然ツイート主である胡錫進氏にも向かった。胡氏はといえば、その過激な発言のおかげでロックされたツイッターアカウントを取り戻すため、前述のツイートを削除。本人は「あの発言をしたことは後悔していないが、わたしの予言が当たらなかったことにはみなさんと同じように失望している」と中国国内に向けてコメントしてお茶を濁している。