イメージ生成AI「クレヨン」も試してみる

 ちなみに、比較のために、ミッドジャーニーAI以前から同様のサービスを提供していた旧ダリ・ミニ(DALL-E mini)こと「クレヨン」(Crayonではなく、つづりの途中をaiにしたCraiyon)による、上記3種のイメージ生成の結果も以下に示してみた。

AIが描いた絵は誰のもの?画像生成AIの著作権とビジネス活用法を考える「クレヨン」へ、ミッドジャーニーAIに入力したのと同じ英文を入力して生成した画像(筆者作成)
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 Craiyonのほうが、より写真的だったり、浮世絵のテイストを採り入れてより直接的な表現が試みられていたりする半面、逆に使い方が難しい画像となってしまっている印象だ。

 ただし、Craiyonは、サイト(https://www.craiyon.com/)にアクセスすれば、登録不要かつ無料で、テキストを入力するだけで利用できるというメリットがある。ミッドジャーニーAIと比べてハードルが低いので、手軽にAIによるイメージ生成を試したいという場合には、こちらを使ってみても良いだろう。

使用許諾ポリシーは意外と大らか

 ここまでのクオリティーを持つイメージをミッドジャーニーAIで簡単に生成できるのであれば、仕事などに実用目的で利用したいと考えるのは自然な流れといえる。その場合、著作権などの権利関係はどのようになるのだろうか?

 著作権とは「作品を創作した者が有する権利」であり、また「作品がどう使われるか決めることができる権利」でもあって、「人権(財産権)の一種」とされる。ということは、暗黙の了解事項として、創作者が人間であることが前提となっている。このため、少なくとも現時点ではAIによる生成物は、著作権のカバー範囲から除外されることになる。

 また、AIの開発には既存のデータを利用した学習過程が不可欠であり、ミッドジャーニーAIの場合には、ネット上に存在する多種多様なイメージを利用して学習を行っていると考えられる。その結果、有名なキャラクター名などを指定してイメージを生成させると、元のキャラクターが判別できる状態のグラフィックスが作られる場合もある。もし、このような生成物に対して、ミッドジャーニー(ミッドジャーニーAIのサービス提供企業)が権利を主張すれば、逆に本来の著作権者から訴えられる恐れもありそうだ。