以上のようなことを勘案してのことなのか、実はミッドジャーニーは、かなり大らかなポリシー(https://midjourney.gitbook.io/docs/terms-of-service)を設けて、ミッドジャーニーAIの生成イメージの利用を認めている。

 具体的には、生成されたイメージの所有者はユーザーであるとしつつ、ミッドジャーニーに対してそれらを一般向けに公開したりリミックスを許す権利を与えたりすることとなっている。実際、ミッドジャーニーAIはオープンなコミュニティーサービスを標榜しており、無料で利用しているユーザーの生成イメージは、クリエイティブコモンズの非営利 4.0 国際 (CC BY-NC 4.0)ライセンスに基づいて公開することが義務付けられている。有料プランでは生成イメージを公開しない設定も可能だが、標準設定では公開が前提なのだ。

 ただし、年間100万ドル(約1億3500万円)相当の総収入がある企業やその社員が、会社の利益のためにミッドジャーニーAIを利用する場合には、別途、コーポレートメンバーシッププランの購入が必要となっている。

 ちなみにクレヨンでは、ユーザーには生成されたイメージの所有権は与えられないものの、非商業利用であれば自由に使って良いことになっている(https://www.craiyon.com/terms)。

AIが作成したイメージ、ビジネスでの使い道とは?

 ミッドジャーニーAIは、すでにゲーム業界などで背景制作や素材製作に利用されるなど、実用ツールとしての活用が始まっている。では、一般企業では、どのような使い道があるだろうか?

 たとえば、年次報告書のためのイメージイラスト(Illustration for the cover page of an annual report with chart and infographics,)や、プロジェクトのイメージカット(ここではアウトドア用品を想定して、青空の下、川の近くでキャンピングする様子。Anime. Camping near a small river under the blue sky.)を描かせるようなことが考えられる。

年次報告書のためのイメージイラストミッドジャーニーAIで生成したイメージ。年次報告書のためのイメージイラスト(筆者作成)
アウトドア用品をイメージしたイラストミッドジャーニーAIで生成したイメージ。アウトドア用品をイメージしたイラスト