俳句を元にイメージ生成してみる

 また、松尾芭蕉の名句「古池や蛙飛びこむ水の音」を、同じく“The sound of water in old ponds and frogs jumping in.”のように英訳してミッドジャーニーAIに与えると、次のような絵になる。

AIが描いた絵は誰のもの?画像生成AIの著作権とビジネス活用法を考える「古池や蛙飛びこむ水の音」を英訳してミッドジャーニーAIに入力して生成された絵(筆者作成)

 これは、「日本的な絵画で」という付帯項目を付けて描画させたものだが、やや中華的な風景にも見える。しかし、(語順とも関係するが)蛙を主体とせず、元の俳句の主題でもある「水音だけが聞こえる静寂さ」が感じられるのはさすがというべきだろう。

 よりフラットな、現代風のイラストに仕上げたければ、ベクトルイメージ(vector image)やアニメ(anime)と指定する方法がある。たとえば、童話「桃太郎」の冒頭を、フラットなイラストに仕上げたものがこれだ。

AIが描いた絵は誰のもの?画像生成AIの著作権とビジネス活用法を考える童話「桃太郎」の冒頭を英訳してミッドジャーニーAIに入力し、生成されたイラスト(筆者作成)

 雪国のフォトリアルなイメージや、古池の絵画調とは異なるテイストのイラストで、桃そのものは描かれてはいないものの、たとえば左下などには桃的なディテールが盛り込まれ、実際に挿絵や和菓子のパッケージなどに使われてもおかしくない仕上がりとなっている。

 ネット上で見かけるミッドジャーニーAIのグラフィックスは、ファンタジーやSF指向のイラスト的なものの頻度が高めだが、実はさまざまなテイストのイメージ生成が可能であることがお分かりいただけるだろう。