GRヤリス比32psパワーUP!
304ps/370Nm+6速MT

 エンジンは1.6Lの直3DOHC12Vターボ、G16E-GTSを積む。GRカローラ用は、吸気ポートの進化、大型排気バルブ/マルチオイル・ジェットピストンの採用、エキゾーストのリファインにより、GRヤリスの272ps/370Nmから304ps/370Nmに出力アップ。6速MTはギア比の変更はないがファイナルがローギアード化された。車両重量はGRヤリス比200kg増の1470kg。それを相殺するハイパフォーマンスの持ち主である。AWDシステムは電子制御油圧多板クラッチを採用したGR-FOUR。もちろん、GRカローラのパッケージングやディメンションに合わせた専用制御を組み込む。

 ボディは超強靭仕様。カローラ・スポーツと同じTNGA・GA-Cプラットフォームをベースに、スポット溶接の追加(394点増)や構造用接着剤(2.7m)、ブレースを用いて高剛性化された専用設計となる。軽量化も抜かりなく、ルーフはCFRP製、ドアとボンネットはアルミ製。サスペンション回りは専用のスプリング/ショックアブソーバーに加えて、専用サスメンバー(5kg軽量化&ロアアーム取り付けポイント15mmアップ)、ブッシュのピロボール化、トルセンLSD(前後)、前後対向キャリパー(フロント4ポット/リア2ポット)などを実施。変更部位は多岐にわたる。タイヤは235/40R18サイズでアドバン・アペックスV601をセレクト。アルミホイールはBBS製鍛造だ。

 エクステリアは専用のワイドボディで全幅はノーマル+60mmの1850mm。これは見た目の迫力アップだけでなく、ワイドトレッド化(フロント+60mm/リア+80mm)による運動性能向上のためのリファインだ。高性能モデルでは必須となるクーリング面も完璧で、フロントバンパーには冷却用の大型インテーク、フェンダーには空気を逃がすアウトレットを装着。リアには独特な形状の3本出しマフラーが覗く。これは排圧を下げつつ騒音規制に対応するためのアイデアという。

 インテリアはカローラ・スポーツと共通部分が多いが、スポーツ走行時の視認性を高めた専用デザインのTFTメーターとスポーツシート(GRヤリスと同形状)の採用で、スポーツイメージをアップ。AWDの前後駆動配分の切り替えを行うダイヤルはシフトレバー後方にレイアウト。加えてアクセル応答性/ステアリングの特性が変更可能なドライブモードスイッチも用意した。サイドブレーキは電子式(EPB)からレバー式に変更された。その目的は、ドリフト走行など限界域での車両コントロール用途のため。これまでのトヨタでは考えられない配慮だ。

 居住性はベースのカローラ・スポーツとほぼ同じと考えていいだろう。GRヤリスは空力を優先した3ドアボディの採用で前席優先のパッケージだったが、GRカローラは優れた実用性も大きなアピールポイントである。