片づけ作業の分岐点(1)
最初にすることとは?

【質問1】片づけの最初にやるべきなのはどちら?
A:何のためにどう片づけるのか考える
B:とにかく手を動かして片づけ作業を始める

 正解は、「B:とにかく手を動かして片づけ作業を始める」です。

「A:何のためにどう片づけるか考える」は、模様替えなど部屋の仕組みごと見直すような大掛かりな片づけの際には必要ですが、スタートが「取っ散らかった状態」なら話は別。まず、あちこちに散らばったモノを集めて「どこに何が、どのくらいあるのか」を把握しなければなりません。

 手を動かさなければ部屋は変わりません。とにかく勢いをつけて作業を始めてしまうこと、その流れにうまく自分を乗せることが大事。「考えるな、動け」というところですね。

 まずはリビングのあちこちに散らばったモノに集合をかけていきましょう。衣類、文具、書類、本、雑貨、お菓子、子どものおもちゃなどを「同じカテゴリーで山を作っていく」ように、テーブルや床に集めていきます。即断できるモノを除いては「要るか要らないか」も考えないこと。頭を使わずに、手だけを粛々と動かしてください。

 手が止まりがちなら、知らず知らずのうちに頭を使っている証拠です。無駄なエネルギーを消耗しないように、以下の点に気をつけましょう。

どこから、何から始めればいいかわからない
 量が多く、存在感の大きいモノから始めましょう。床なら衣類や子どものおもちゃ、子どもの教材やプリントが目立ち、ダイニングテーブルやカウンターの上なら文具や書類、袋菓子が目に入るのではないでしょうか。それが最初のターゲットです。

 量の多いモノや大きいモノが移動すると、その下に隠れていた小さなモノが見えてきます。床の上ならレゴやパズルの部品、テーブルの上ならクリップやあめ玉、レシートなどでしょうか。自動的に次のターゲットが見えてきますよね。

ダラダラして動き出せない
 タイマーを使いましょう。スタートスイッチを押すことで、自分のスイッチも入りやすくなります。ひと山作るのに、所要時間は5分程度。制限時間があることが刺激になって、集中力も上がりますよ。

作業が全然進まない
 二つ以上のことを同時にやろうとすると作業が滞ります。マルチタスクは厳禁、シングルタスクの鬼になりましょう。集めるカテゴリーも一山ずつ、考えることも「同じ仲間を集める」のみ。「捨てた方がいいかな…」「ここじゃなくて個室の方がいいかも…」などの判断も挟まないこと。それは集めた後で、次のタスクとしてやればよいのです。

 散らかったモノたちをカテゴリーの山にできたら「リビングに置かないモノ」はそれぞれの場所に戻し、残ったモノを「使う/使わない/迷う/手放す」に分けていきます。このあたりの分け方について詳しく知りたい方は、『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。』を読んでみてください。