韓国にある「太陽光発電道路」、海外で称賛の声も理想と現実に落差あり写真はイメージです Photo:PIXTA

原油価格が高騰、原子力発電所の再稼働も難しいという状況下、太陽光発電や風力発電など再生エネルギーへの期待が高まっている。しかし問題は、「発電設備の設置・開発は環境破壊につながるのでは」という懸念だ。韓国には、高速道路や廃線になった鉄道を使った太陽光発電設備がある。海外では称賛する声も多く、日本でも導入が検討されるかもしれないが、韓国在住の筆者は「いいことばかりではない」と警告する。(ビジネスライター 羽田真代)

2021年7月、熱海市伊豆山土石流災害

 2022年の夏が終わろうとしている。6月から暑すぎて早々に気象庁が梅雨明け宣言をし(後に梅雨明けは7月下旬に「見直す」とした)、7~8月には長雨が続いて日照不足・気温低下。天候不順で雨の被害が多い夏だった。9月には台風シーズンが始まる。これ以上、大雨による被害が起きないといいのだが。

 豪雨の被害といえば思い出すのが、2021年7月3日に発生した熱海市伊豆山土石流災害だ。この時、この地域には48時間で321ミリという、現地の7月の観測史上最多の雨が降っていた。記録的な大雨によって土石流が発生、濁流が住宅地をのみ込み、多くの犠牲者を出した痛ましい事故であった。

 土石流が発生したのは、熱海市伊豆山地区の川の上流部に作られた「盛り土」が崩れ落ちたためだった。後に熱海市が調査をした結果、同市へ届け出ていた15メートルという高さよりもはるかに高い、約50メートルの盛り土がされていたことが分かった。