スターを招いて「弔意ムードのかさ上げ」も?

 そして、次に可能性が高い不正は、「弔意ムードのかさ上げ」を行うことだろう。今回、政府は「弔意の強制はしない」と言っているので、国民が自発的に弔意を示すような「誘導」をしていく必要があるのだ。

 そうなると考えられるのは、「参列者の仕込み」だ。

 国葬にそれほど参列者が来ない場合、「あんなに税金を投入してこれか」と政府に批判の矛先が向けられしまう恐れがあるので、保険としてある程度の「サクラ」を用意しておくのだ。

 さらに盛り上げ効果を狙うなら、「有名人の仕込み」も考えられる。例えば、国民ならば誰もが知っているような大スターや若者から絶大な人気を誇るようなアイドルや人気俳優、お笑い芸人、ユーチューバーなどをさながら「24時間テレビ」のように次々に日本武道館に招くのだ。国葬当日はワイドショーなどは生中継をしているので当然、大盛り上がりだろう。

「あ、いまあの大物俳優が日本武道館に到着しました」
「速報です!今、あの国民的人気アイドルグループが喪服姿でやって来ました。やはり安倍元首相は若い人たちにも慕われていたんですね」

 そんな感じのリポートが繰り返されれば、「なんだかんだ言っても国葬やって良かったね」という世論が形成される。国葬をゴリ押しした岸田政権に対しても「結果オーライ」となって、支持率低下に歯止めがかかるというわけだ。

 なんて考えを述べると、「日本政府がそんなインチキをするわけがないだろ」とお叱りを受けるかもしれないが、政府がやらなくてもそのような「ブローカー」が暗躍する恐れもある。

「FRIDAYデジタル」が『安倍総理『桜の会』芸能人続々のウラに「招待状8万円」の闇ルート』(19年4月16日)で報じているが、「桜を見る会」でも有名人や芸能人をこのイベントにブッキングすることを生業としていた人々がいた。

 政府としても、テレビで活躍する有名人が多く参加してくれるとありがたい。「招待状」を購入した有名人や芸能人にもメリットがある。「安倍さんに招待されたよ」と自身の人脈を誇示することができるし、安倍夫妻と一緒の写真を営業ツールにできる。国家イベントと「芸能人の仕込み」が互いにウィンウィンなのだ。

 今回の国葬の運営・企画の会社も「桜を見る会」と同じだ。座組みが変わらないということは、「関係者」も変わらない。つまり、有名人・芸能人のブッキングビジネスも「桜を見る会」から「継続」している可能性が高いのだ。