たたきのめされてきた日本円にも耐えられないほどの屈辱というものがある。1ドル=145円を超える水準まで進んだ円安がその一つであることが明らかになった。日本の通貨当局は22日、約24年ぶりに外国為替市場で円買い・ドル売り介入を実施した。欧米の中央銀行がそれぞれ独自に金融引き締め策を進めたことによる影響になんとか対処するためだ。
今年3月の段階では、1ドル=125円の円安水準は大きな節目だとみられていた。だが6月には135円台まで値下がりし、その後3カ月でさらに7%下落すると、日本の通貨当局は同国経済が腰折れする前にこの通貨のリンボーダンスを中止することを決めた。日本の円買いにより、円相場は急速に141円付近まで値を戻した。政策立案者は、企業収益の拡大など円安がもたらすいかなる恩恵にも、エネルギー価格の高騰といったコストが伴うことに気付きつつある。
あらゆる経済的な失敗と同様に、円安にも多くの理由がある。最も重要な点は、日銀が金融緩和を維持しているのに対し、米連邦準備制度理事会(FRB)が引き締めを続けていることだ。円は、FRBが21日に金利をさらに0.75ポイント引き上げたことを受けて、値を下げた。一方、日本の当局者は、金融政策の正常化を検討する前に、インフレがさらに継続することを確認する必要があると述べている。