ちなみに、私は、仕事が忙しくても週に一日は無理やり時間をつくって風に吹かれ、季節の移ろいを感じながら木や草に触れます。自然とともにすごせる自分の時間をもつことは、頭の中を100パーセント仕事でいっぱいにしないコツです。100パーセント仕事がつまっていると、持久力や集中力を高めるのに必要なエネルギーを生み出す力すら使い果たしてしまうことになるからです。私にとっては、それが元気よく仕事に取り組むためのエネルギーになっています。

残業対策が成功のカギ

 従業員のココロのケアについて考えるとき、その人が大丈夫かどうかをチェックするバロメータになるのが、残業時間です。

 このご時世、残業するのはやむを得ないと思いますが、ココロを健康に保つ視点から見たときに気をつけたいのが、社会問題になっている「サービス残業」。働いた通りの時間を申告していいのかどうかという悩みはどの会社の従業員にも共通しているはずです。そして、正直に申告することはほとんどないという現状も……。また、会社によっては給料の中にすでに数十時間分の残業代が上乗せされていて、その時間以上、申告できない仕組みをとっている会社もあります。

 でも、せっかく働いても報酬を認めてもらえないと、ヤル気もなくなり、きつい仕事であれば虚しさがつのってストレスをため込んでしまう危険性は十分にあります。そのため、残業対策は、ココロのケアを進める上で重要なポイントになります。

 その具体的な対策としては、上司が部下の残業時間をきちんと把握し、あまりに多すぎるようであれば、仕事の中身や分量についてチェックして、本人の負担を軽減するのが理想でしょう。でも、実際には、上司にどこまでそれができるかは疑問です。したがって、会社が自動的に残業時間をチェックできて、働きすぎの社員には何らかの指導をするような仕組みが求められます。

 たとえば、タイムカードも1つの手段です。また、本人用のPCが作動している時間を会社側が自動的にチェックできる仕組みをつくり、月または週の使用時間が一定のラインを超えた場合には、ココロのケア運用担当者が仕事の状況について、本人や上司に確認するというのも有効な方法です(そうした仕組みをすでに取り入れている会社もあります)。

 そして、残業が増えてもっとも注意しなければいけないのが本人の体調です。すでに書いたように、ぎりぎりまで働いて、ある日バタッと倒れる人は少なくないのです。