黒田東彦日銀総裁黒田総裁の最近の発言は、これまで以上に「不規則な」内容が多く含まれるようになり、今後の金融政策を占う上で重要なヒントが隠されているようにもみえる Photo:Bloomberg/gettyimages

日銀・黒田総裁が説明する
「当面」の期間

 黒田総裁は9月21・22日の金融政策決定会合終了後の定例記者会見において、政策金利を引き上げたり、フォワードガイダンスを変更したりする必要は「当面ない」という従来の主張を繰り返した。

 その上で、「当面とはどれくらいの期間を指すのか」という記者からの質問に対して、当面とは「数カ月の話ではなくて、2~3年の話というふうにお考えになって頂いた方がよいと思います」と答えた。

 当面という言葉に定義があるわけではないが、政府や日銀が当面という言葉を使う時は、3カ月からせいぜい半年程度を指すとされている。

 政策金利やフォワードガイダンスといった金融政策は、経済・物価情勢の変化に合わせて変更される。また、経済・物価情勢の点検の基礎資料となる展望レポートは3カ月ごとに発表される。

 そう考えれば、当面というのは、次あるいは、その次のレポートが発表されるまでの3~6カ月程度を指すと考えるのが自然だ。