一見混迷する米株式相場も、中央銀行の行動ではなく、先行するインフレと中長期金利に基づくサイクルとして解釈すれば、より明快な指針が浮かび上がる。実はドル円相場は、米株式相場以上に金利に直接連動するため、サイクルをより明快に捉えやすい。サイクルを適切に理解すれば、この超円安についても、無用な不安を克服して、シンプルに生かすすべを考えられるだろう。(田中泰輔リサーチ代表楽天証券グローバルマクロ・アドバイザー 田中泰輔)
ドル円相場の動きも
サイクルで読み解ける
米株式相場のサイクル展開について、新解釈を前回(9月15日公開)提示した。コロナ禍後の高インフレに悩まされる経済と市場をどう捉えるか、クリアな指針になるはずだ。今回は、この株式サイクルの新解釈に照らして、ドル円相場の動きもまた明快なサイクル現象であることを解説する。
次ページ以降まずは、株式サイクルの新解釈を振り返り、サイクルに合わせてドル円相場の動きをどう読むべきかを解説する。