ただ話すだけなのに「頑張る」「疲れる」「気を使う」……。日々のコミュニケーションで苦戦苦闘している日々よ、さようなら。これからは、説得しようと力業で勝負する必要はありません。自ら動くのではなく、相手に動いてもらい、自分の思い通りの結果に導けばいいのです。
それを可能にしたのが、大久保雅士著『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』だ。「トップセールス」の実績を持つ「メンタリズム日本一」が生んだ至極のコミュニケーションスキルが詰まった一冊。本書より、徹底的に磨かれたノウハウを一部抜粋し、「口下手で人付き合いが苦手」な人でも今日からすぐできる方法を紹介する。

【武器としての心理術】人は褒められると、なぜ否定できなくなるのか?Photo: Adobe Stock

褒めちぎられると、人は否定できなくなる

 バラエティ番組「アメトーーク!」の企画で「たいこ持ち芸人」の存在を知りました。

 お笑い芸人サバンナの高橋茂雄さんの太鼓持ちエピソードは、参考になるものばかり。先輩との飲み会では、「今日、めっちゃ楽しいですわ。DVDにできますやん」と楽しさを伝えたり、ヨイショを嫌がる先輩にはトイレに立つときに、小さい声であえて聞こえるように、「今日楽しい」と独り言をつぶやいたり。

 先輩に可愛がられるための数々のテクニックは、一般の人でも使えると感心しました。メンタリストが相手の心を読めるかのように見せる技術があります。「コールドリーディング」と呼ばれる会話術です。コールド(cold)は「準備なしに」という意味で、リーディング(reading)は「相手の心を読む」になります。

 つまり、事前の下調べや準備がなくても、相手の心を読んだかのように見せるテクニックです。前項の「誰にでも当てはまる質問」もコールドリーディングの一つです。この会話術を使うと相手は心を開きやすくなり、関係を深めることができます。

 コールドリーディングを身につけるにはかなりの訓練が必要なので、本書を読んでいるあなたでも使えるように、エッセンスをお伝えしましょう。質問を駆使して相手の心をつかむのです。

 その一つが、「褒めちぎり質問」です。「褒めちぎる」とは、冒頭で紹介したように褒めることです。人は褒められれば誰だってうれしいものですが、あからさまだと逆効果です。しかし、突き抜けて褒めると、効果抜群なのです。では、どう褒めるか。語尾に「~すぎ」を付け加えて質問するだけです。

 相手の勤勉さを褒めたいとき、「○○さん、真面目ですね」と伝えても、なんだか褒められた気がしません。しかし、褒めちぎると違います。

「○○さん、自分に厳しすぎるんじゃないですか? ストイックすぎますよ」

 他の例も示しましょう。

「後輩たちに優しすぎませんか? 私たち甘えちゃうじゃないですか」
「プレゼンうますぎませんか? 次に話す私の出る幕がないですよ」

 これくらい褒めちぎりながら質問すると、相手は否定できません。照れながらも心の中ではうれしい気持ちでいっぱいになります。

 褒めちぎられると、人は否定できなくなるのです。褒めてくれた人を否定すると、その人が褒めてくれた「優れている自分の姿」までも否定することになってしまうからです。そして、褒められると、「自分にはそんないいところがあったのか」とうれしくなり、自分のいいところを発見してくれた相手に対して好感を持つのです。

「褒めちぎり質問」を使うことで、相手との会話も弾みます。一般の方でも、「~すぎ」はかなり使えるキラーワードなので、取り入れてみてください。

(本原稿は、日々のコミュニケーションがラクになる36のノウハウが詰まった書籍『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』から一部抜粋、編集したものです)