最初にお断りしておきたいのが、日本のプロ野球界には公式戦に出場した全選手の名簿はあるが、在籍した全選手の名簿は存在しないということだ。そのため、ここで集計されているのは筆者が独自に調査したものである。

 また、名門・古豪といわれる歴史の古い学校には、途中で分離や合併などさまざまな変遷のある学校も多く、どの学校をもってどの学校の前身とするかの意見がわかれることもある。そのため、見解によって多少の誤差が生じることをご了解いただきたい。

 それではまず、今年の注目校から見ていこう。

2022年の注目校
近江高、仙台育英高の動向は?

今年の選抜で準優勝、夏にはベスト4と近年躍進している近江高(ランキング表圏外)からは、甲子園通算11勝を挙げた山田陽翔(西武5巡目)の他、北村恵吾(中央大、ヤクルト5巡目)、林優樹(西濃運輸、楽天6巡目)と3人が指名された。昨年までのプロ入り人数は9人で、その活躍からすると少ないが、今年全員入団すれば12人になる。

 夏に全国制覇した仙台育英高(第17位)からの指名はなく、準優勝の下関国際高(ランキング表圏外)からはエースの古賀康誠が楽天の育成2巡目で指名された。同校は2014年に宮崎敦次(広島国際学院大)がロッテから6巡目指名されており、2人目のプロ入りとなる。

では、ベストテンを下位から順に見ていこう。

第10位 大阪桐蔭高(大阪府) 44人+今年1人指名
 大阪桐蔭高は、昨年一挙に3人が指名されて44人となり、早実(第11位)を抜いてベストテン入りを果たした。早実が高校野球草創期からの名門で、80年以上かけて積み上げてきたのに対し、大阪桐蔭高の創立は1988年。わずか33年でのベストテン入りである。その高校球界での立ち位置はかつてのPL学園高に近く、中田翔(巨人)、藤浪晋太郎(阪神)、森友哉(西武)、藤原恭大(ロッテ)、根尾昂(中日)と、5人のドラフト1巡目指名選手が活躍中。今年も松尾汐恩がDeNAから1巡目で指名された。来年以降も、アマ球界には多くの指名候補がおり、さらに上位をうかがっている。