全国旅行支援で旅行熱沸騰
注目集まる旅行キャンセル保険
10月11日から始まった、政府の国内旅行向け観光振興策である全国旅行支援。交通付き宿泊旅行では、1人1泊あたり8000円を上限として旅行代金が40%割引になるだけでなく、最大3000円分の地域クーポンが付与されるとあって、新型コロナウイルスのまん延により抑圧されていた旅行熱が一気に噴出している。
実際、11月1日に発表されたJR各社や航空各社の22年4~9月期決算では、前年同期と比較して黒字転換したり、赤字幅が大幅に縮小したりしているケースが見られた。22年4月以降、旅行者が大幅に増加していることの証左だろう。
そうした強烈な追い風を受けて、契約件数を伸ばしているのが、航空券や宿泊料などキャンセル料金を補償する「旅行キャンセル保険」だ。
数年間続いたコロナ禍では、緊急事態宣言が明けてイベントや旅行が復活した時期もあったが、再びコロナがまん延して急きょ中止になったり、旅行を計画していた本人がコロナに罹患してしまい旅行を中止せざるを得なくなったりする事態が頻発した。
つまり、ウイルスに翻弄された人々のリスク認識が上がったことで、旅行キャンセル保険の契約件数を押し上げる要因になっていることは間違いない。
ただし、一口に旅行キャンセル保険といっても、保険会社によってその補償範囲が異なる点には注意が必要だ。契約者がコロナに罹患して入院や自宅療養などをした場合、それを理由に旅行をキャンセルすると、補償の対象外となる商品もあるからだ。
もっとも現状では、補償範囲に関係なく、旅行キャンセル保険の契約件数は伸びている。そこで次ページでは、主要損保と少額短期保険会社が提供している商品の中身と契約の進捗状況、そして商品リニューアルに向けた動きをまとめてみた。