川崎フロンターレの
強さの根源とは

 川崎フロンターレサポーターは、ファミリー層の多さも特徴だ。サポーターの数が増えるにつれて、家族でフロンターレを共通の話題にして盛り上がるといった声も増えてきたのだとか。

「うちのスタッフには、ご両親、自分自身、娘さんと3世代にわたって川崎フロンターレのファンという者もいます。このスタッフ本人もサッカーはもちろん好きだけれど、フロンターレの地域とのつながりを重視する方針に賛同して、自分も川崎フロンターレで地域の方とともに夢を追う仕事をしたいと思って志望してくれています。これまでの地域密着の活動の結果が証明されたような気がしました」(若松氏)

 世代間の縦のつながりにフロンターレの活動が一役買った格好だが、こうした地域貢献活動を、今後は範囲を拡大してアジアでも行っていくと若松氏は話す。

「11月にはタイやベトナムなどでトップチームのアジアツアーを計画しており、現地で健康教室を開催しようと考えています。また、算数ドリルもベトナム語やタイ語バージョンの作成も検討しています。これまで継続してきた活動をベースにして当地の実情や問題を踏まえて練り直すことで、その地域の問題解決にフロンターレも関わっていきたいですね」(若松氏)

 スケールが大きくなっても「突き抜けてやりぬく」というフロンターレのスピリットは、ブレることはないだろう。長年の地域貢献活動によってまかれた種が、地域に根差した大きな幹として結実しようとしているのだから。