コロナ禍で変容する外食産業、既存概念を壊す「CLO分離」の動きとはコロナ禍で分離された外食産業のCLOは、さらなる進化を遂げようとしている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

コロナ禍という逆境が
外食を進化させる

 逆境は産業を前進させる。フィルム写真の喪失が写真関連産業の進化を促したように、コロナ禍は他者との接触を前提とした従来型の外食産業に変容を迫った。

 外食産業における従前の業務では、コンテンツ(C:料理)、ロケーション(L:店舗)、オペレーション(O:調理/給仕)が不可分だった。しかし、コロナ禍でCLOは分離された。

 外食は店舗にシェフがいて、客の来店を“待つ”モデルであり、CLOの共存が前提だ。ところがコロナ禍によって、高級名店は高質冷凍食品へ進出した。CLO分離のスタートだ。

 出来立ての料理を届けるフードデリバリーは、CLO分離を進めた“届ける”仕組みだ。さらに推進したのはシェフの派遣サービスだ。シェフ自体を“届ける”という究極の方策だ。

 実店舗を持たないデリバリー専門業態「ゴーストレストラン」も生まれた。店舗を保有しないローコスト業態は新たな企業参入も促し、外食産業を活性させる一助となった。