特集『最新決算反映! 円安、インフレ、金利上昇に負けない 強い株ランキング』(全6回)では、個人投資家やビジネスパーソンの注目度が高い企業の最新決算を2回に分けて解説。後編となる#6(最終回)では村田製作所や東京エレクトロンなど通期予想を下方修正した企業も登場。一方で三菱商事や日本郵船は業績を上方修正すると同時に、配当も増額修正した。各銘柄のコメントでは、市場が今後をどうみているかについても触れた。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
米欧と比較して相対的優位な日本株
株主還元を強化する企業も目立つ
パウエル・米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言に一喜一憂する世界の株式市場。当然ながら日本も海外市場の影響を避けられないが、米欧と比較すると日本株は割安感が強く、金融緩和の継続など相対的に有利な点も多い。
日経平均株価のPER(株価収益率)は12倍台と過去10年の下限付近にある。割安なときに株を買うのは投資の鉄則でもある。
そこで今特集では東京証券取引所の売買高ランキングの上位27銘柄を選出。2回に分けて各業界の主力企業の最新四半期決算について解説する。
いずれも直近の売買高が大きく、市場の注目度が高い企業である。幅広い業界の主力企業の決算を見ることで、世界景気の流れや、今何を市場が注目しているかが浮かび上がり、相場の大局観も養われるはずだ。
後編で分析するのは村田製作所、トヨタ自動車、オリンパス、任天堂、東京エレクトロン、三菱商事、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井不動産、東日本旅客鉄道、日本郵船、日本電信電話、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループの13社。
各企業には最新決算についての分析コメントだけでなく、今期の売上高や当期利益の伸び率、対期初予想の当期利益の変化率を付けた。
株価指標は「予想PER」「PBR(株価純資産倍率)」「予想ROE(自己資本利益率)」「予想配当利回り」を掲載。PERは株価を予想1株利益で割って算出、PBRは株価を1株純資産で割って算出する。PERは利益面、PBRは資産面での割安度を示し、いずれも数値が低いほど割安と判断できる。
自社株買いの設定を発表した企業も目立った。株主還元の強化は、株価の下支え要因になるので、分析コメントの「増配」や「自社株買い」にも注目したい。
足元では米国のインフレのピークアウト感が出るなど、相場に明るい兆しが出てきている。気になる企業が見つかったら、決算説明資料等を確認するなど、さらに深掘りして調べてはどうだろうか。