特集『最新決算反映! 円安、インフレ、金利上昇に負けない 強い株ランキング』(全6回)では、個人投資家やビジネスパーソンの注目度が高い企業の最新決算を2回に分けて解説。前編となる#2では第一三共や信越化学工業、ソニーグループなど上方修正を発表した企業が登場。各業界のトップ企業の決算を知ることは、投資はもちろん、ビジネスにも役に立つ。銘柄コメントでは、市場が各企業の今後をどうみているかについても触れた。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
市場予想を上回る着地が目立ち
再度の上振れが期待できる企業も
「森を見て木を見ず、木を見て森を見ず」――。
個人投資家にとって最大の関心事は、株を保有しているか新規投資を考えている企業の今後だろう。とはいえ、個別企業を分析しているだけでは大局観を養うことは難しい。
株式投資では「木」(個別銘柄)の分析だけでなく、「森」(相場全体)の動向も重要だからだ。そのためには世界景気や幅広い業界について知っておく必要がある。
そこで今回は東京証券取引所の売買高ランキングの上位27銘柄を選出。各業界の主力企業の最新四半期決算について解説する。
前編で分析するのはエムスリー、JT、信越化学工業、メルカリ、エーザイ、第一三共、リクルートホールディングス、ダイキン工業、日立製作所、ベイカレント・コンサルティング、日本電産、ソニーグループ、キーエンス、レーザーテックの14社。
いずれも直近の売買高が大きく、市場の注目度が高い企業である。幅広い業界の主力企業の決算を見ることで、世界景気の流れや、今何を市場が注目しているかが浮かび上がってくるはずだ。
各企業には最新決算についての分析コメントだけでなく、今期の売上高や当期利益の伸び率、対期初予想の当期利益の変化率を付けた。
株価指標は「予想PER(株価収益率)」「PBR(株価純資産倍率)」「予想ROE(自己資本利益率)」「予想配当利回り」を掲載。PERは株価を予想1株利益で割って算出、PBRは株価を1株純資産で割って算出する。PERは利益面、PBRは資産面での割安度を示し、いずれも数値が低いほど割安と判断できる。
増配や自社株買いを発表した企業も目立った。株主還元の強化は、株価の下支え要因になるので、分析コメントの「増配」や「自社株買い」にも注目したい。
足元では米国のインフレのピークアウト感が出るなど、相場に明るい兆しが出てきている。次ページで分析する14社についても、市場予想を上回るなど好調な企業が多かった。気になる企業が見つかったら、決算説明資料等を確認するなど、さらに深掘りして調べてはどうだろうか。