グローバルで拡大するペット市場、コロナ禍で加速したペット「人間化」とはコロナ禍でペットの存在感が高まっているのはなぜか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ペット数は子供の数を上回る
ペット市場は拡大中

 コロナ禍を機に、ペットの存在感が高まっている。社団法人ペットフード協会が発表した2021年新規飼育頭数は、犬、猫ともにコロナ禍前よりも大幅に増加した。

 人との接触を避け、自宅で過ごす時間が増加したコロナ禍において、人々は寂しさの解消や癒しを求めてペットを飼い始めた。リモートワークの普及も飼いやすさを後押しした。

 2022年現在、飼育頭数は犬が710.6万頭、猫894.6万頭、両者合計で1,605.2万頭と推計されている。この数は15歳以下の総人口(1586.0万人)をも上回る。

 さらにペット業界の市場規模は、飼育頭数以上に拡大を続けている。矢野経済研究所によると、2021年のペット市場規模は1兆7187億円と5年前から15%伸長した。

 その背景には、ペットフードのみならず、美容院や医療サービスなどのペットケア分野の拡大がある。飼い主がペットと過ごす時間が増えた結果、ペットの状態に意識が向かい、ケアへの意識が高まっている。

 ペット連れでの外食や旅行といった余暇への出費も、一気に増加している。コロナ禍に苦しむ飲食店も、集客手段や他店との差別化としてペットに着目している。

 ホットペッパーでペット同伴可の東京の飲食店を検索すると、1460軒が表示される。食べログ、ぐるなびでもペット同伴可のレストランが特集ページで紹介されている。

 キャンプの人気も、大半の施設でペットの同伴が可能なことがある。マンダリンオリエンタル東京など高級ホテルでも、ペット向けにアメニティや食事を用意し、ホカンス(ホテル+バカンス)推進を図っている。