マーケットのボラティリティの高まりをもビジネスチャンスにできるメガバンクグループと違い、地方銀行は2023年、大きく三つの業績悪化リスクに悩まされそうだ。特集『総予測2023』の本稿では、その三つのリスクについて整理するとともに、自身の経営の在り方を切々と問われる中、23年初頭の地銀業界において“駆け込み再編”が選択肢になり得る理由を明かす。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)
23年に地銀の経営を圧迫する
「3つのリスク」とは?
インフレの進行や各国の利上げ、急激な円安……。金融機関にとって2022年は、それら不確定要素に大いにさらされた一年だった。
しかし、3メガバンクグループの22年4~9月期の決算は好調だった。3メガは業容や事業の展開地域が広い上に、専門人材も豊富だ。そのため、急激な円安などのコントロール不能な事態が起きても打てる手は多い。
加えて足元では、借り入れ需要といった国内大企業の金融ニーズが増加しており、23年に向けて追い風となりそうだ。設備投資意欲が高まっている他、サプライチェーンの再構築などに動く企業も増えているという。
一方、自身の経営の在り方を切々と問われることになりそうなのが地方銀行だ。23年は地銀に、大きく三つの業績悪化リスクが降り掛かるだろう。
次ページではその三つのリスクについて整理するとともに、23年初頭の地銀業界において“駆け込み再編”が選択肢になり得る理由を明かす。