総予測2023#91Photo by Yoko Suzuki

インターネット上の仮想空間で自分の分身であるアバターを使って、さまざまなサービスを利用するメタバース。コロナ禍で広がりを見せたが、ビジネスへの転用や、今後の普及状況はどうなるのか。特集『総予測2023』の本稿では、業界に詳しいPwCコンサルティング パートナーの馬渕邦美氏に徹底予想してもらった。

「週刊ダイヤモンド」2022年12月24日・31日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

メタ社の業績悪化で暗雲?
メタバースの本当のインパクトとは何か

 インターネット上の仮想空間で自分の分身であるアバターを使って、さまざまなサービスを利用するメタバース。コロナ禍でコミュニケーションをバーチャル化する必要性が高まり、急速に広がった。

 一方で、社名を変更し1兆円以上をメタバースに投資した米メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)の業績不振を理由に、「メタバースは一過性のものでは」という観測もある。2023年のメタバースはどうなるのか。

 メタバースは、インターネットがパソコンからモバイルへ変遷してきた先の、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)×AIの波だ。スマートフォンの技術革新がほぼ成熟した今、その社会実装が進むことは間違いない。市場は今後10年ほどかけて発展し、拡張していくとみるべきだ。

国内外の巨大メーカーによるVR対応デバイス投入が確実視される23年のメタバース市場動向と共に、ビジネスはもちろん医療、教育など様々な領域への転用について、次ページで詳しく解説する。