米国の中間選挙は、野党・共和党が下院で過半数を奪還し「ねじれ議会」となった。バイデン政権は2023年、苦しい議会運営を強いられることになりそうだ。ねじれ議会が内政、外交にどんな影響を与えるのだろうか。特集『総予測2023』の本稿では、米国のねじれ議会と次期大統領選の候補者レースの行方を予測する。(東京大学東洋研究所准教授 佐橋 亮)
共和党が下院奪還で「ねじれ議会」
バイデン政権は苦しい議会運営に
米国の中間選挙は、与党・民主党が事前の予想を覆す善戦を見せて連邦議会の上院において少なくとも半数の議席を維持した。バイデン政権が訴えた人工妊娠中絶の権利擁護や民主主義の防衛といったアジェンダが、民主党支持層や無党派層に響いた結果といえる。
バイデン大統領は「『レッドウエーブ』(共和党の躍進)は起きなかった」と、実質的な勝利を収めたと笑顔を振りまいている。
とはいえ、野党・共和党が下院で過半数の議席を奪還して「ねじれ議会」となった。2023年のバイデン政権は下院で苦しい議会運営を余儀なくされ、あらゆる政策がどん詰まりの状況に陥る。
次ページでは、「ねじれ議会」の行方を左右するキーパーソン、米国の次期大統領選候補者の主な顔ぶれを紹介する。