家計を死守する上で
まずやるべきことは「節約」

 そのために、まず始めるべきことは「節約」です。預貯金が底を突くまでの時間を少しでも遅くするためには、今すぐにでも支出を見直し、節約に励むようにしましょう。

 例えば、毎月の支出を1割(4万円)削減して36万円にできれば、年間支出額は従来より48万円少ない432万円に減ります。この場合、年間の赤字額も228万円から180万円に縮小します。

 2割削減すれば96万円の支出減となり、年間の赤字額は228万円から132万円に減ります。携帯電話の料金プランを見直す、外食を控えるなど、できるところから始めてみましょう。

 節約だけでも預貯金が底を突く時間をある程度延ばすことは可能ですが、さらに余裕を持つには、やはりLさんご夫婦が働くことも必要になってきます。

 家計収支を考えれば、しっかり働いてまとまったお金を稼ぐことが望ましいのですが、Lさんご夫婦の年齢を考えると、長い時間や体力を使う労働よりも、細く長く働くことを考えられた方がよいといえるでしょう。

 ご夫婦でパートなどに従事し、お二人の合計で月10万円、年間120万円を稼ぐことができ、前述の通り支出を月2割削減すれば、赤字額は年間12万円にまで減少します。

 息子さん(長男)は在宅ワークを始められているようなので、収入の一部でもよいので家計に入れてもらうと、収支はさらに改善するのは確かです。

 ですが、しばらくは長男の稼ぎを考慮に入れず、ご夫婦の勤労や節約だけで家計収支を改善するのがよさそうです。

 なぜなら、家計を支えることを「強制」してしまうと、それがプレッシャーになり、せっかく仕事を始めた長男のやる気をそいでしまうかもしれないからです。

 矛盾するかもしれませんが、「せいては事をし損じる」のことわざがあるように、長男の仕事へのやる気がさらに高まり、安定して収入を得られるまでしばらく待ってから、協力をお願いするといいかもしれません。

 長男の将来を考えれば、今頑張ってもらうよりも、長い時間(年を重ねても)働き続けられるように配慮したほうが、結果的に良い方向に進む気がしています。