アフターコロナのフード業界、客足回復で見え始めた人手不足の現状と対策アフターコロナを見据えて人材採用を活発化させるフード業界、人手不足に備える手は?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

コロナ禍は、「第8波」に警戒しながらも、以前の日常が戻りつつあります。この年末年始シーズンは、宴会の開催が増加へ。コロナ禍で大きな影響を受けたフード業界は、宴会需要に対応すべく採用活動を活発化させています。リクルートが、「Indeed Hiring Lab」「ジョブズリサーチセンター」「Airシフト」「ホットペッパーグルメ外食総研」などグループのデータを結集してつかんだフード業界の雇用動向をお伝えします。人手不足の問題を「業務の切り出し」「デジタルツール導入」によって改善させた事例も紹介します。(Indeed Japan Hiring Lab エコノミスト 青木雄介、リクルート ジョブズリサーチセンター センター長 宇佐川 邦子、リクルート 赤嶺征志)

忘・新年会は「少人数」「個室型」へ
飲食店スタッフの負荷が高まる

 飲食店予約の機能を持つ「ホットペッパーグルメ」のデータには、コロナ禍以降の忘年会・新年会のスタイルの変化が表れています。コロナ禍以前は11人以上の宴会が全体の4割を占めていましたが、2021年12月は約6%、現在も11%程度と低空飛行。友人・知人・趣味仲間など、5 人以下の少人数の宴会比率が高まった一方、大人数となる「会社・仕事関係」の回復はいまだ限定的です。

 とはいえ、現場からは「2年ぶりに20人以上の予約が入り始めた」「会社宴会の予約が入り始めた」などの声も聞こえてきます。述べ回数についても、昨年より増えると見込まれます。

 宴会の少人数化に伴う組数の増加、また感染対策のための半個室化の普及などから、飲食店従業員のオペレーションはより複雑化し、難易度が上がっています。従来の大人数宴会では大皿での料理提供をしていたのに対し、オーダーは小分けされ、頻度が上昇。これまでの従業員数だけでは対応し切れない状況になると考えられます。

 シフト管理サービス『Airシフト』で行った「アルバイト・パートスタッフのシフト充足率・希望シフト却下率調査」においては、過去2年間、フード業界のシフト充足率は他業種より低い状況。年末年始はさらにシフト充足の難易度が高まるでしょう。