旅行支援、水際対策緩和で需要回復機運
強まるサービス業の人手不足感
コロナ禍の影響が長引く中で、製造業に比べ業況の回復が遅れたサービス業だが、2022年度後半は回復機運が高まっている。
感染第7波が収束し、10月からの全国旅行支援実施や水際対策の大幅緩和(1日当たりの入国者数上限の撤廃、個人旅行客の受け入れ解禁、短期滞在者の査証(ビザ)取得免除により、外食や宿泊、旅行・交通、娯楽などの対人接触型サービス(以下、「対人サービス」)を中心に、10~12月期以降の個人消費は回復基調を強める可能性が高い。
日本はこれまで欧米に比べて、サービス業を中心に経済活動の回復が遅れてきたが、逆に言えば、その分、回復余地が残されている状況だが一方で、懸念されるのが人手不足だ。
民間調査機関の調査では、バンクの人手不足企業の割合は正社員で旅館・ホテル、非正社員では飲食店がそれぞれ7割超とトップで、情報サービスや建設、小売りなど人手不足感の強まりは幅広いサービスに及ぶ。
賃上げを行って人手を確保できるかどうか、サービスの高付加価値化を実現して客単価を引き上げられるかどうかが、生き残りの鍵になる。