年末の海産物買い出しで「値上げ・円安」の今年、絶対にやってはいけないこと3選円安やコロナによる生産減、ウクライナ情勢の影響等、何かと値上げの続いた今年。年末年始もその波は押し寄せている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

今年も年末を迎えました。円安やコロナによる生産減、ウクライナ情勢の影響もあり、何かと値上げの続いた今年。年末年始にもその波は押し寄せています。ただ、年末からお正月にかけては、カニやエビ、マグロ、いくら(魚卵)など、豪華な食材も食べたいところ。今回は、元築地市場の卸で、東京海洋大学で講師も務めるながさき一生さんが、2022年の年末買い出しのコツと、絶対にやってはいけないこと三つを解説します。(おさかなコーディネータ ながさき一生)

ホタテは高騰、イクラは昨年並みで相場はさまざま
例年と違う豊洲市場の年末

 コロナ禍、円安、ウクライナ情勢……今年はさまざまなことが重なり、ありとあらゆるものが値上がりしています。これは、海産物も例外ではありません。

 まず、豊洲市場の相場を見ていきましょう。今年値上がりしている海産物の代表格がホタテです。冷凍ホタテ貝の11月の平均卸価格は1キロ当たり3283円。過去5年間平均2123円と比べ1.5倍以上と大幅に値上がりしています。これは、ホタテの輸出量が多く、円安の影響で海外(主に中国)の需要が増していることが要因です。

 ただ、海産物は種類が豊富で、状況もその種類ごとにさまざまです。あらゆるものが大幅に値上がりしているというわけではありません。

 例えば、イクラは今年、北海道での秋鮭(サケ)漁が豊漁でした。そのため、10月の平均卸売価格は1キロ当たり6913円となり、異常に高かった2021年の8310円よりはいったん落ち着きました。その後、11月には8283円と昨年並みの価格まで上がっていますが、ホタテのように昨年比では高騰していません。

 全体としては、特に輸出入が多いものを中心に値上げ傾向にありますが、いくら同様に北海道産が豊漁だった数の子などの海産物、また、国際的に買い控えられているロシア産の海産物は、値段の上げ幅が抑えられているといえるでしょう。

 こうした状況で迎える今年の年末。ここからは、良い品物を手頃な価格で手に入れられるよう、年末の買い出しのコツをお伝えしたいと思います。