株式投資で資産2億5000万円を築いている現役サラリーマン投資家の愛鷹氏。2008年から株式投資をはじめ、これまで通算66もの銘柄で10倍株(テンバガー)を達成。“テンバガー・ハンター”の異名をとる。2021年は9年連続テンバガー達成。会社員として働きながらテンバガーを連発する【愛鷹式】超分散投資術を徹底解説した初の単著『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)から、一部を抜粋・編集し、一度買ったら決算を都度確認するだけでほとんど売らない、というサラリーマンでも再現性の高い超シンプルな投資法を紹介する。

【お金を増やす】資産2億5000万円を築いたサラリーマン投資家が“ほぼ見限った“6つの投資先とは?イラスト:タラジロウ

10倍株探しから
外すべき6つの業種

【前回】からの続き ここまで10倍株が狙えそうな業種をざっと見てきましたが、ここからは10倍株探しから外すべきテーマについて触れたいと思います。それは「銀行業」「電気・ガス業」「石油・石炭製品」「鉄鋼」「造船業」「水産・農林業」の6つです(このうち造船業は、トヨタ自動車などと同じ輸送用機器に分類されています)。

銀行業を外すのは、世界的にスマホ決済や仮想通貨といった「フィンテック」が主流になりつつあるなかで、日本の銀行業に明るい未来を描けないからです。

高利回りの配当金や業界再編にともなうTOB(株式公開買い付け)などを狙って、ポートフォリオ(資産構成)に組み入れるのはよいかもしれませんが、10倍株を狙うにはメガバンクも地方銀行も、いまのままではこれから大きく伸びるビジョンが思い描けません

電力をほぼチェックしないワケ

電気・ガス業では、まず電力はほぼチェックしていません。電力は社会に不可欠なインフラではありますが、電力会社の経営はけっしてラクではないからです。「発電」「小売り」と続いた電力システム改革の最後を飾ったのが、2020年の「発送電分離」でした。

その前にも2016年の電力自由化によって、従来の電力会社ばかりではなく、ガス会社や通信会社などの異業種も電気事業に新規参入できるようになったのです。こうなると、既存の電力会社と新規参入企業との間で値下げ競争が起こって、収益が伸び悩む恐れがあります。

また、世界的な脱炭素やカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の流れが強まるなか、化石燃料を軸とする火力発電が電源構成の約8割を占める日本では、太陽光発電や風力発電といった非化石電源へと電源構成をシフトさせるように国主導で進みそうなため、設備投資に巨額のコストが必要となりそうです。【次回に続く】

※本稿は『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。