株式投資で資産2億5000万円を築いている現役サラリーマン投資家の愛鷹氏。2008年から株式投資をはじめ、これまで通算66もの銘柄で10倍株(テンバガー)を達成。“テンバガー・ハンター”の異名をとる。2021年は9年連続テンバガー達成。会社員として働きながらテンバガーを連発する【愛鷹式】超分散投資術を徹底解説した初の単著『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)から、一部を抜粋・編集し、一度買ったら決算を都度確認するだけでほとんど売らない、
テーマを掘り下げよう!
【前回】からの続き 半導体製造関連を例にテーマを深く掘り下げてみましょう。「半導体製造関連」といっても、その裾野は広いです。まず、半導体の製造や半導体製造装置をつくるうえで欠かせない“縁の下の力持ち”の企業に注目してみましょう。まだ市場の関心度が高まっておらず、株価も割高でない銘柄です(こうした銘柄に私が投資をはじめたのは比較的最近なので、残念ながらまだ10倍株の経験は少ないです)。
注目銘柄の1つに日本電子材料(6855)があります。日本電子材料は、「プローブカード」という半導体検査部品の国内シェアトップであり、世界でも第2位のシェアを誇る、知る人ぞ知る銘柄です。
先ほど触れた半導体製造装置で世界第4位の東京エレクトロン(8035)は、1株4万円台(2022年9月現在)の値がさ株です。最低単元の100株を購入するのに、400万円以上のまとまった資金が必要になります。この金額をポンと出せる会社員は、そう多くはないでしょう。これに対して、日本電子材料は1株1500円台(同)ですから、100株なら15万円台で購入できます。
「半導体製造関連」のもう1つの注目銘柄
注目銘柄をもう1つ挙げましょう。半導体製造装置向け部品メーカーのフェローテックホールディングス(6890)は、余計な空気や微粒子が侵入するのを防ぎ、半導体製造の工程で真空状態をつくるのに欠かせない「真空シール」という密閉装置で、世界シェア約6割を誇っています。フェローテックホールディングスは1株3000円台(同)ですから、100株なら30万円台で購入できます。
さらに、「水資源」に関連する銘柄も、これからさらに脚光を浴びると考えています。半導体の製造工程には水が欠かせません。半導体の基板であるシリコンウエハーから微細なゴミを完全にとり除くため、超純水が大量に必要なのです。
半導体銘柄に10倍株が出てくるチャンス
日本は豊かな水資源に恵まれているというメリットがあります。そこに目をつけたのか、半導体の受託生産で世界最大手である台湾のTSMCは、新しい工場を熊本県につくることを計画しています。そのきっかけとなったかはわかりませんが、2021年に台湾は数十年ぶりという記録的な水不足に襲われました。
現在、熊本県菊陽町にあるソニーグループ(6758)の半導体工場の隣接地が新工場の候補地となっており、ソニーとの合弁で2024年に稼働予定です。ソニーグループのみならず、日本政府も工場新設に数千億円規模の資金を投じ、国内の半導体供給体制を整備。供給不足に陥らないよう全面的に支援することを計画しています。
この計画が実現すれば、半導体銘柄に新たな将来の10倍株が出てくるチャンスが生まれるかもしれません。
※本稿は『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。