団栗:今はオフィスのキャップに対する逡巡が出てきてますね。外資ファンドでは本国からむちゃ、質問攻めに遭うと。米国は利上げでキャップレートが切り上がるので、鑑定評価が下がっている。「今後、日本もそうなるはずでは? なのに何考えているんだよ!」って厳しく指摘されている。だから、一部ファンドかいわいにてオフィスにはやや慎重な評価で臨む人も出てきている。でも、だからといってマーケット全体でネガティブ、ってわけでなくて、案件と利回り次第かな、って感じですね。

経験者は語る「今の状況、リーマンショック前夜に似てるよ、怖い!」

――クラッシュの予兆はまだない?

団栗:ないですね。売り主が思ったほどビッドの価格が伸びない、ってのはあるでしょうけど、結局まだお金はいっぱい入ってきているので。

あくの:とにかく上も下も、あらゆる場所にお金が巡ってる。

かずお君:そうなのかなあ。完全にフィーリングの話なんだけど、むちゃくちゃリーマンショック前夜に似てない? 今の状況。

全宅ツイのグル(グル):分かる!

あくの:根拠不明の値付けが続いてる。

かずお君:みんなやばいの分かってて、それでも買うのが仕事だから理屈を曲げて買いに行ってる。

かずお君(※5)虎ノ門パストラルとかをほうふつとさせる取引が多いもん。

グル:事業再生ADRへの道は最高益で舗装されている!

かずお君:パンパンに風船膨らんでる感じするよね。回ってるうちは全然いいんだけど、ブラックスワンが来た瞬間にパーンって破裂する空気がすごい。

団栗:正直、潮目だなあ、と思っている。某大手外資ファンドでも思った価格では売却できなくて、継続保有に切り替えているっぽい。

みっく:ブラックストーン(BX)とか、もう、一歩引き始めてるみたいですね

――BX、12月1日には非上場の不動産投資信託(REIT)について、上限を超える解約を制限した、というニュースもありました。

みっく:今回有事が起きたら(※6)レンダーはどう対応するんすかね。リーマン時は(※7)流動化一本やりなトコばかりだったけど。

団栗:まあ以前の経験があるので、すぐにレンダーも売却ステージで売っていく、って感じはないと思うけど。といっても、複数同時多発で起きたら正直分からん。リーマンの際は「どこは助けてどこはサヨナラするか」の御前会議が某メガバンクではされていたから。

みっく:なんか、コロナ禍ではレンダー優しいじゃん!とか思っちゃいました

あくの:そういえば私のコロナ金利免除期間がそろそろおわります。

グル:コロナ融資の逆回転もないんですかね?

――とか言ってたら来ましたよ、日銀利上げ! 12月20日に開いた金融政策決定会合で、大規模緩和を修正する方針を決めた。従来0.25%程度としてきた長期金利の変動許容幅を0.5%に拡大、20日から適用ですって。

どエンド君:あくのさんの受けてる融資は日銀が利上げする前に金利ちょっぴり上がったんでしたっけ。

あくの:早速セゾンファンデックスが10bp(ベーシスポイント、0.01%。10bp=0.1%)上げてきた。セゾンは(※8)長プラ連動なんすよ。365が375になっただけだから、どうでもいいです。

みっく:敏感すね(笑)。

団栗:12月の(※9)YCCの「柔軟化」は今のところマーケットの反応もマイルドなんでしょうけど、外資勢は12月中はクリスマス休暇中だから、お正月明けが正念場かな。円金利が結構上がっちゃうと、地銀を中心に保有国債に評価損がそれなりの水準で発生して、貸し出し姿勢が厳しくなるとしんどくなってくるかもね。

――住宅ローンとかどうなるんでしょうか。金利上昇局面がくるっていって固定を選ぶ人が増える、ってことはあります?