夜は「何も決めない」
もう全部“朝送り”しよう

 夜は一人で落ち着いて考えるのに適した時間帯のようですが、それはまったくの見当違いです。

 なぜなら闇に覆われる夜は、思考がネガティブに陥りやすいからです。とても“ポジティブ思考”“未来思考”にはなれないのです。

 また大事な判断をするときも、夜はふさわしくありません。判断というのは、それが大事なものであればあるほど、心身のエネルギーがマイナスに傾いているときにしてはいけません。思考が悲観的になり、消極的な行動を促し、はかばかしい結果が得られない危険性があるからです。

 夜は心身の疲れを癒す。それが自然の摂理にかなった過ごし方です。へたに考えごとをして眠れなくなるより、何も考えず、何も決めず、気になることがあっても“朝送り”して、よく眠り、心身のエネルギーを充填することのほうが大切です。

 そうして朝、すっきりと目覚め、日の光を浴びて活動を開始する――。そのときこそ“判断の旬”なのです。

明日を憂えない
その不安や心配はすべて“妄想”

 いかに寝つきのいい人も、翌日に心配なことや不安を覚えることがあると、とたんに眠れなくなるものです。そんなときはこう考えてください。「心に生じた心配や不安には実体がない」と。それを教えてくれるいいお話があります。

 禅宗の始祖である達磨大師は、慧可という弟子から悩みを打ち明けられます。「私の心はいつも不安でいっぱいです。どうか取り除いてください」と。