しかし、「貯蓄型保険」はおすすめしません。その最大の理由は、「貯蓄型保険の保険料は割高であり、全然お得ではない」からです。

 みなさんが支払っている保険料は、保険会社の人件費や宣伝費、事務所費用などに充てられる部分と、純粋に保険金や給付金の支払いに充てられる部分の両方から成り立っています。専門用語で前者を「付加保険料」、後者を「純保険料」と言います。

 この付加保険料の部分、つまり、保険会社の人件費や宣伝費などは一般的には10%~30%ですが、なかには50%近いものも存在します。ただし、保険会社もビジネスですから、その多寡は別として付加保険料は必要経費です。

 貯蓄型の保険料の純保険料は、死亡した時に支払われる死亡保険料と、解約返戻金や満期の時に支払われる生存保険料から成り立っています。つまり、満期保険金に充てられる保険料以外の部分は「掛け捨て」になるのです。

 将来の貯蓄のつもりで保険料を払っていても、じつはその保険料の一部しか積み立てられていないのです。

 貯蓄や資産形成が目的なのであれば、それらに適した方法でするべきです。つまり、「保障は保険で、資産形成は投資で行なう」――。

 これが理にかなった方法なのです。

 保険は、保険料が割安な「掛け捨て型」を中心に考えましょう。