SOMPOホールディングスの海外保険事業を担うSOMPOインターナショナル(SI)。連結修正利益の約3割を担うまでに成長してきたが、昨年春にSIが東京オフィスを設立して次のステップに踏み出した。その核となるのが、東京オフィスのヘッドに就任したAIGグループ出身のケネス・ライリー氏。同氏に今後の事業展開の方針を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 藤田章夫、片田江康男)
SOMPOインターナショナルが
東京オフィスを設置、ケネス・ライリー氏が就任
SOMPOホールディングスが傘下の損害保険ジャパン日本興亜(現損害保険ジャパン)を通じて、米国で事業を展開する企業保険大手エンデュランス・スペシャリティ・ホールディングスを買収したのは2016年のこと(買収手続きの完了は17年)。
実に、63億ドル(当時の為替レートで約6400億円)の巨費を投じた買収で、現在はSOMPOインターナショナルHD(以下、SI)として、SOMPOグループの海外保険事業の核となり、海外事業のグロス保険料は130億ドルを超えている。また、23年度のグループ全体の連結修正利益は3000億円超を計画しているが、その約3分の1に相当する金額を海外事業が稼ぎ出す見込みだ。
そのSIが東京オフィスを設立したのは昨年春。日本を含めた海外拠点がそれぞれ独自で事業を展開している中、国内外の損害保険事業をつなぐことで「One SOMPO」を構築するための拠点をつくったというわけだ。そして、その東京オフィスの責任者に就任したのが、AIGグループ出身のケネス・ライリー氏だ。
ライリー氏は、1995年に米国のグローバルな再保険会社に入社して以降、ニューヨークやロンドン、アジア、日本などの企業マーケット分野の経験が長く、日本のAIU損害保険やAIG損害保険の社長を務めてきた人物だ。日本語も堪能なライリー氏がSIの東京オフィスのヘッドに就き、どういった役割を果たすのか。また、One SOMPOに向けた事業運営をどのように行うのかについて、ライリー氏に話を聞いた。
――これまで外資系保険会社でキャリアを積まれてきましたが、今回、日本の大手損保会社に入社されました。どういった理由からでしょうか。