遠藤俊英・元金融庁長官が語る金融行政、顧客本位の業務運営の在り方【後編】

元金融庁長官の遠藤俊英氏が考える
顧客本位の業務運営の具体策

 大型保険代理店グループのホロスホールディングスの名物企画「ホケンブリア神殿」。1月25日に登壇したのは元金融庁長官の遠藤俊英氏で、顧客本位の業務運営や金融機関の組織ガバナンスの在り方について、ホロスホールディングス社長の堀井計氏が切り込んだ。

 顧客本位の業務運営といえば、今や金融業界にとって最優先事項のひとつだが、遠藤元長官は現役時代にどのように考えていたのか。それについて対談の前半では、「利他と利己」という考え方が示されたのに加え、組織のガバナンスについても問題意識が述べられた(参照:「遠藤俊英・元金融庁長官が語る金融行政、顧客本位の業務運営の在り方【前編】」)。

遠藤俊英・元金融庁長官,ホロスホールディングス堀井計元金融庁長官の遠藤俊英氏(左)とホロスホールディングス社長の堀井計氏(右)

 後編である本稿では、前編で遠藤元長官が語った内容をもとに、堀井氏が「顧客本位の業務運営はなぜプリンシプルベースなのか」「歩合制の報酬体系に対する当局の考え方」「代理店経営における業務品質評価運営」などについて遠藤元長官に質問し、その回答をまとめた。

堀井 顧客本位の追求と会社の成長のために利益を生み出すあいだには、どうしても葛藤してしまうシーンがあるのも事実です。そうした中で、ルールベースはやっていいことと悪いことの線引きが明確ですが、プリンシプルベースであるために判断が難しくなっています。そこが利他と利己のバランスであり、51対49の考え方はしっくりきますが、改めてどのように考えればいいのでしょうか。