バイオテクノロジー企業の快走は終わった。米国のバイオテック企業はこの10年間、細胞治療や遺伝子編集、メッセンジャーRNA(mRNA)といった新技術に対する期待や潤沢な資金に支えられ急成長を続けてきた。ところが最近は業界で大規模な人員削減が続き、一部は事業閉鎖を迫られた。新規株式公開(IPO)は低迷し、バイオテック企業を対象とする上場投資信託(ETF)は急落している。ジェフリーズのアナリスト、マイケル・イー氏はバイオテック企業の2極化が進んでいると指摘。「優良資産とパイプラインに恵まれて資金調達能力が高い企業と、資金調達や事業継続で困難が続き先行きが暗い企業がある」と述べる。最近では、フィンチ・セラピューティクス・グループが先端医薬品の開発を停止すると発表し、資産売却の準備や95%の人員削減計画も明らかにした。また、ゴールドフィンチ・バイオ(非上場)は資金調達計画が頓挫し、事業閉鎖に追い込まれた。ヴァヤント・バイオは戦略的代替策を模索していることを明らかにした。
米バイオテック企業に人員削減の波 環境一変
長年の潤沢な資金と急成長の後、輝きに色あせ
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