
二重のサプライズに
一筋縄でいかない事情?
2月10日の夕刻、4月に任期を終える黒田東彦総裁の次の日本銀行総裁に元日銀審議委員の植田和男氏(共立女子大学教授)を起用するというニュースが飛び込んできた。
その少し前には一部の新聞が雨宮正佳副総裁に就任を打診したと報じていたから二重の驚きだった。
審議委員をしていたとはいえ、それから18年ものブランクがある植田氏で人事案を通そうという政府の意図はどこにあるのか。なぜ「大本命」とされた雨宮氏が辞退することになったのか。
さらにさかのぼって考えると、この人事の“急転換”は、昨年12月に黒田総裁がイールドカーブコントロール(YCC)の長期金利の上限を引き上げるサプライズを決めたことと何か関連があるのか。
水面下で一筋縄ではいかない事情があるのではと考えてしまうのだ。