写真はイメージです Photo:PIXTA
小学校では無敵だった神童が、意気揚々と受験し入学した名門中高一貫校で挫折を味わうというのはよくあることです。それでなくとも多感な時期で、環境の変化によって調子を崩しやすい年ごろ。どんな子でも落ち込みやすい時、親が知っておくべき心構えがあります。東大卒の「プロ家庭教師」の肩書を持つ長谷川智也氏の著書『予約殺到の東大卒スーパー家庭教師が教える 自考モードにする 中高6年間の過ごし方』(講談社)から一部を抜粋・編集して解説します。
挫折は誰でも経験する
中学高校の6年間は多感な時期ですから、どんな子でも、部活やクラスにおける人間関係のトラブルやメンタル面、体調面での落ち込みなどはつきものです。その意味では、明るく楽しく、みんなと仲良く、「無傷」で6年間を過ごす子は一人もいないと言えます。
痛い目にあって、自分でなんとかしようともがきながら、力をつけていくもの。逆に言えば、挫折なくして成長はあり得ません。親は「挫折ウエルカム!」とドンと構えてこそ、子どもも自ら立ち直っていけるでしょう。
ただし落ち込み経験が成長の糧となり、その子の自信となるなら良いのですが、「自分はダメだ」という挫折感や「親が悪い」「学校が悪い」といった恨みに変わってしまうと、その子の人生、そして親子関係にも生涯にわたる禍根を残します。
中学高校での過ごし方一つで、人生が大きく失速してしまう可能性があり、残念ながら、そのようなケースも少なからず見てきています。
「失速する中高一貫校生」によくあるパターンは?
まず、お子さんをなるべく良いパターンに持っていくためにも、親が知っておくべき「備え」として、中高一貫校生にありがちな失速例をお伝えしましょう。
僕が見てきた限り、大きく次の3つがあります。
1 神童クライシスに陥ってしまう(自信をなくす)
2 ちょっとした挫折、トラブルでつまずいてしまう(浮上できなくなってしまう)
3 気づいたら大学受験間近だった(大きくサボってしまう)
いずれの場合も、親はどのように考え、対応したら良いか、僕が親御さんや本人から相談された時にお話しているポイントを紹介します。もちろん僕と親御さんの立場は違いますが、一つの参考になればと思います。
「神童クライシスに陥ってしまう」
を防ぐには?
→「勝負はこれから。自分の持つカードを知る機会」と励まして
憧れの中高一貫校に希望を持って入学したものの、「すごく頭がいい同級生」「キャラクターが立っている同級生」に圧倒されて、すっかり自信を失ってしまう……。そんな元・神童や、元・優等生たちの失速は、3つのパターンの中でもっとも多いです。
基本的には、それこそが中高一貫校の真骨頂、と腹をくくってください。「圧倒的にできる子」に揉まれてこそ、我が子も自然と高みに引き上げられていきます。
しかし、自慢の鼻をへし折られるような体験をしたお子さんに、僕がいつもお話ししているのは、「人と比べて落ち込む時は、自分を知る大チャンスである」ということです。
人生をゲームに例えるなら、
「You play with the cards you‘re dealt…(配られたカードで勝負するしかないんだよ。それがどういう意味であれ)」
とは、これ、漫画「ピーナッツ」でのスヌーピーの名言ですが、まさにこの通り!
僕自身も超進学校に入学したあと、どんなに勉強しても上には上がいてトップにはなれない悔しさや、電車に乗っているだけで女の子に告白されてしまうイケメンの親友に対しての、ひそかな劣等感などを抱きながら悶々とした思春期を過ごしました。
でもその辛い時期に、必死になって本を読んだり勉強方法を工夫したりして、自分にできることを見出して、今につながる努力ができました。
自信をなくした時は、「己を知る」チャンス。勝負はこれからだと、ぜひお子さんに伝えてあげてください。
その上で、すっかり自信をなくしてしまった「神童クライシス」のよくあるケースと、僕の見解をお話します。
世界が広がって知る4つのクライシス
■よくあるクライシス1
圧倒的に頭のいい子についていけない
これこそ、本書の主テーマ「自考モード」に深くつながっていきます。
よく言われることですが、中学受験での合格は本当のゴールではありません。
まさに、スタート地点に立ったところです。塾でも学校でも「なんでもできる子」だった神童の、本当の戦いの始まりです。
お子さんが自分自身の得意・不得意を知り、その上で自分なりの戦い方、勉強の仕方を試行錯誤していけば良いのです。







