子どもたちが生きる数十年後は、いったいどんな未来になっているのでしょうか。それを予想するのは難しいですが「劇的な変化が次々と起きる社会」であることは間違いないでしょう。そんな未来を生き抜くには、どんな力が必要なのでしょうか? そこでお薦めなのが、『世界標準の子育て』です。本書は4000人を超えるグローバル人材を輩出してきた船津徹氏が、世界中の子育ての事例や理論をもとに「未来の子育てのスタンダード」を解説しています。本連載では本書の内容から、これからの時代の子育てに必要な知識をお伝えしていきます。
家族全員で食事をとり、雑談をする
ハーバード大学の研究で家族全員がそろって食事をとる家庭の子どもは、そうでない家庭の子どもに比べて、語彙力が豊富で学力が高い、ということがわかりました。
家族で食事をすると大人と会話する機会が増え、それが子どもの知識、語彙力、コミュニケーション力を発達させてくれるのです。
特に父親との会話は、「話題の幅が広がる」ので子どもの思考力を大きく伸ばしてくれます。
ハーバード大学の調査によると、家族全員そろって食事をとる家庭の子どもは、
1)成績が良い(Aを取る可能性が40%高い)
2)語彙力と読書力が高い
3)高い学力(学歴)を得る
4)情緒が安定している
5)対人関係が良好
6)親子関係が良好
7)喫煙、ドラッグ、アルコールの問題が少ない
8)肥満になることが少ない
など、学業、情緒、健康、人間関係のすべてが向上するそうです。
食事中はテレビを消して、親子の楽しい会話、和気あいあいとした雰囲気づくりを心がけてください。
食卓での会話が多いほど、子どもは語彙と知識とウィットを身につけ、豊かなコミュニケーションができるようになります。
フランス、スペイン、イタリアなど、歴史あるヨーロッパの国々は食事の時間が長いことで知られています。
食事は家族団らんの時間であることはもちろん、子どもたちがマナーやコミュニケーションを学ぶ大切な場でもあるのです。
くれぐれも食事中に小言やグチは口にしないようにしてください。
子どもが食卓から逃げていきます。食事中に楽しい会話を心がけるのは「世界標準」のマナー。
まずは私たち親が、コミュニケーションを楽しむようにすることです。