市販薬市販の風邪薬には実は怖い副作用がある(写真はイメージです) Photo:Malorny/gettyimages

風邪をひいたとき、病院に行く時間がないからと、気軽に市販の風邪薬を飲んではいないだろうか。実は市販の風邪薬には怖い副作用がある。ジャーナリストの笹井恵里子氏が、危ない薬の見極め方や、間違えると逆効果になる「飲むタイミング」について、医師と薬剤師に取材した。(ジャーナリスト 笹井恵里子)

「ルル」「パブロン」「ベンザブロック」…
市販の風邪薬で副作用発生リスク

 風邪をひいたとき、気軽に市販の風邪薬を飲んではいけないことをご存じだろうか。

 風邪の原因となる病原体は約8~9割がウイルスで、残り1~2割が細菌とされている。溶連菌感染症など細菌による風邪には抗生物質が効くが、通常のウイルス感染による風邪に根本的な治療はない。そもそもウイルスは単独で増殖できないことが大半のため、普通の風邪なら「放っておいても治る」のだ。

 えっ、それなら「ルル」は? 「パブロン」は? 「ベンザブロック」は意味がないのか? と驚く読者もいるだろう。それらは風邪の“症状”を軽くしてくれるだけであることを知ってほしい。市販の風邪薬を連用することは副作用発生リスクを高めるし、一時的に症状が消失するため、服薬を続ければ肺炎などの重い疾患を見落とすことにもつながる。

 米国心臓協会は「市販の風邪薬の中には、心血管に悪影響を及ぼすものもあることを理解し、使用する際には慎重に判断するように」と注意喚起している。どういうことか。