産婦人科の内診台を「ネタ」にした投稿を行った性教育YouTuberが炎上し、医療器具メーカーが抗議の声明を出すまでに至った。YouTuberの投稿に批判が集まって当然の内容だったが、同時に婦人科での診察や女性医療への不安や違和感をつづる人も少なくなかった。(フリーライター 鎌田和歌)
産科・婦人科の内診台を
「ネタ」にしてはいけない理由
男性で産婦人科の内診台(検診台)に乗ったことがあるという人はほとんどいないだろう。
内診台は妊娠時の検診やがん検診などで膣や子宮の状態を確認するために使用される。座面が上部に上がり両脚を置いた部分が左右に開くことで、医師による陰部の検診をスムーズに行えるようになっている。
検査の際には下半身にタオルをかけるなどの措置があるものの、女性にとって心理的負担はあり、「恥ずかしい」と感じる人が多いだろう。筆者も診察のために乗ったことがあるが、やはり緊張したし、医療行為であると自分を納得させ、心を無にする必要があった。
医師の前とはいえ、人前で下着を脱ぎ足を開くのは、当然抵抗感が大きい。だからこそ診察する側も、心理的抵抗感を減らすため診察中の医師の顔が見えないように仕切りを設けたり、医師が男性であれ女性であれ看護師が立ち会ったりするようにするといった配慮を行っているのだと思う。
このような医療行為を性的行為であるかのように「ネタ」にすることは、決してあってはならない。しかし、ツイッター上では最近、内診台をめぐって炎上する騒動が起きている。
世間では回転ずし店での悪質行為が話題になっているが、こちらの行為も「悪ふざけ」という言葉では表現しきれないやりきれなさがある。