たとえば、勧誘時とは話が異なり、ひとたび足を踏み入れてしまうとなかなか抜け出せなくなるような怪しい団体も存在します。表向きは文化系のサークルを装い、さまざまなボランティア活動や国際交流を行っていると言ったり、スポーツ系のサークルを装って初めてでも気軽に始められるなどと言ったりして本来の活動を隠し、あの手この手で新入生を勧誘します。

 しかし、実態としては反社会的な活動を行っていたり、教祖の経済的搾取などのために信者を利用したりする団体もあります。

宗教団体からの勧誘が毎年トラブルの上位に

 大学生協のアンケート調査『CAMPUS LIFE DATA 2021』で、大学入学後に遭遇したトラブルでは「宗教団体からのしつこい勧誘」が毎年上位となっています。こうした勧誘は、入学式の季節に限らず1年を通して行われています。

 こうした団体に入ると、次のような危険に遭遇する恐れがあります。

●会費と称して大金を払わされる
●さまざまな活動への参加を強要され、授業への出席が困難になる
●やめようと思っても抜け出すことができない
●自らも勧誘活動に手を染め、貴重な友人を失ってしまう

 不審に思ったらまずは断り、友人や両親、大学に相談することが重要です。

勧誘を断りにくいケースなどはすぐに信頼できる人に相談を

 最近では、多くの大学で注意を喚起する呼びかけやチラシなどを準備し、オリエンテーションなどでその危険性を学生に伝えるようにしています。悪質な団体には、オリエンテーション前や入学手続きのころから勧誘活動を始めるところもありますので、十分に注意してください。

 断る勇気、抜け出す勇気が必要です。簡単に断れないケースや友だち、親にも相談しにくい場合もあるかもしれません。そのようなときは大学の相談窓口などを利用しましょう。

 一人で悩んでいても問題は解決しません。一歩、踏み出す努力をしてみてください。それだけで、悩みが解消されることも多いのです。