「Twitterに漫画をあげるメリットの一つは、直接読者さんから意見を頂けること。作品を掲載すると反響を即座に確認できて、トライアンドエラーを高速で行える点は、Twitter漫画の良いところだと思います。後は、リツイートなどで作品が拡散されると、商業誌の連載や単行本発売の可能性が高まるのもポイントですね」
「Twitter漫画」の成功例として、イラストレーター・ナガノ氏が、2020年からTwitterで定期的にアップしていた漫画作品「なんか小さくてかわいいやつ」通称『ちいかわ』がある。Twitterでバズった結果2021年2月に単行本化。さらに翌年にはアニメ化も果たして、「○○……ってコト!?」のような「ちいかわ構文」なるスラングまで登場した。
結果的に商業作品となった「ちいかわ」のように、Twitter漫画自体が収益を生み出すコンテンツとして成長する場合もあるのだ。「Twitterは、夢やロマンのある場所だ」と、横山氏も話す。
ただ、爆発的な人気を博して商業化に成功した「ちいかわ」は“例外的な作品”だ。「Twitter漫画」の大半は、完結しても単行本化しない。代わりに、“0円”でダウンロード可能な「Kindle インディーズ」に、完結したTwitter漫画を投稿するクリエイターが増えている。
横山氏も過去にTwitterにあげた作品をKindleインディーズで、0円で販売している。こうした無料作品の販売は、Twitterほどの拡散性を持つわけではない。読者としてはタダで作品を読めるのでありがたい限りだが、クリエイターが無料作品を販売する狙いはどこにあるのだろうか。