李正植(イ・ジョンシク)雇用労働相は「労働改革の始まりは法と原則を立て直し、労働現場の誤った慣行を正すことだ」と労働界に対し強い語気で警告を繰り返している。2月22日には労働界の長老を集め「韓国の労使関係は、これ以上過去の戦闘的労働運動に埋没してはならない」「『あなたも死んで私も死ぬ』流の関係は生き残れない」と、労使が共倒れしかねない労働運動のあり方に警鐘を鳴らした。

「労組弾圧」という労働界の批判に対しては「少数の既得権を保護することではなく、多数の普通の労働者や脆弱労働者に耳を傾け、共存と連帯の道を模索することだ」と反論した。

 これまで強硬姿勢を貫いてきた労組が、会計上の資料を公開するかは疑問であり、そうした労組に対する支援が打ち切られるならば、大規模な反発行動が起きる可能性はある。それをどう乗り切るかが課題である。

労組改革なくして
韓国の未来はない

 中央日報は「巨大強行労組の改革なしに未来はない」と題する社説を掲載、労組の違法行為を糾弾している。

 国土交通部の調査によると、タワークレーン運転士438人が建設会社から1人当たり平均年額5600万ウォン(約580万円)を「月例費」という名目で毎月、給与とは別に受け取っており、その438人の大半が全国民主労働組合総連盟(民主労総)と韓国労働組合総連盟(韓国労総)に所属する組合員だということである。金額もさることながら、月例費を出さなければ怠業し、非組合員には仕事を任せないよう会社に圧力を加え、さらには労働組合に加入させなかったという。

 また、二大労総は組織的に政府の会計資料提出要求を拒否した。民主労総所属の労働組合は25%、韓国労総は39%だけが資料を提出した。二大労総は過去5年間、政府・広域地方自治体から1500億ウォン(約155億円)以上の支援を受けていた。

 野党の「共に民主党」と「正義党」は21日、国会環境労働委で、労働組合のスト可能範囲を拡大し、ストで損害が生じた企業の損害賠償訴訟を以前より厳格に制限する法案を強行処理した。財界から反対の声が上がる中、与党は大統領の拒否権行使を要請するという。