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【精神科医が教える】ネットが炎上する根本原因・ワースト1Photo: Adobe Stock

相手のことをよく知らないままの
コミュニケーション

TwitterなどSNS(交流サイト)のコミュニケーションは、リアルなコミュニケーションとは違って、相手のことをよく知らない状態でやりとりするケースが多いです。しかも、文字だけのやりとりで匿名性も高かったりして、ややもすれば言動が攻撃的になりがちでもあります。

リアルのコミュニケーションであれば、その場の雰囲気とか表情とか、言葉の微妙なニュアンスも含まれますが、こうしたネット独特の環境によって炎上しやすくもあります。

信頼関係のあるなしが大きい

たとえば、文字だけで相手をバカにするようなことをいうと、かなり率直な表現になりがちで相手を傷つけてしまいます。リアルのコミュニケーションであれば、漫才のボケとツッコミのようなノリで、ちょっとからかうというか、その場の雰囲気や表情、ニュアンスを含めて、冗談が通じるわけです。

お互いの信頼関係が成り立っているかどうかの違いが大きいです。ネットのやりとりでは、会ったこともない人が多く、信頼関係が築かれないまま薄氷をふむような極めて危なっかしい言葉のやりとりをしているともいえます。

目玉だけ見てやりとりするような状態?

リアルなコミュニケーションの情報量が100だとすると、ネット上の文字だけのコミュニケーションは1あるかないかだと思うんです。どういうことかというと、「動物園にいって、目玉だけ見てきた」というような状態。目玉だけ見て、どんな動物かを当てることができるでしょうか?

ネット上のやりとりは、相手の目玉だけを見て、「この目は悪い目だ」とかいって攻撃してるようなもの。全体で見れば、「これはゾウさんの目で、穏やかにしていた」なんてことがわかるのですが、目玉だけでは情報が断片的すぎて、誤解を生じやすいんですね。

傷つく必要はない

基本的に情報が少ないなかでのネット上のやりとりは、どうしても誤解が生じやすく、攻撃的で過激にもなりやすい。なにをいいたいかというと、万が一誤解されて炎上し、いいがかりをつける人がいたとしても、傷つく必要はないということ。

その人たちと実際に会ったら同じことをいうかというと、同じ話題になったとしても、案外穏やかな雰囲気になったりするものです。こういうコミュニケーションの全体像を俯瞰(ふかん)しておくだけでも、ネットでのやりとりがしやすくなると思います。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。