誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy精神科医Tomyきょうのひとことの“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】誰かの悪口を言いたくなったら…不満で自分を腐らせる人の共通点Photo: Adobe Stock

誰かの悪口は依存性が高い

なにか気に入らない人がいると、その人の悪口を言いがちでないですか? 誰かの悪口って、盛り上がるんですよね。“共通の敵”の悪口を共感し合うと、気持ちがスッとするでしょう。悪口独特の高揚感や爽快感は、麻薬とまでは言いませんが、依存性が高いんです。

だから、つい誰かの悪口を言いがちなんです。しかし、悪口を言うと、その場では心がスッとするかもしれませんが、いずれ自分に返ってきます。気がつくとネガティブな語彙ばかりが増えて性格が歪んでしまい、周りには「あの人はよく悪口を言う人だ」なんてレッテルを貼られる。

そして、知らず知らずのうちに、なんとなく自分の周りから人が遠のいていくことにもなりかねません。とはいえ、人間ですからネガティブな感情が湧くことはありますし、愚痴や悪口を言いたくなることもあります。そんなときは、“思考をネガティブからポジティブに変換する”といいんです。

悪口は“排泄”と同じ

たとえば、職場でクセの強いやっかいな人がいるとします。なんらかの実害を受けると、その人の愚痴や悪口を言いたくもなりますが、そんなときは「どうしたらその人から悪影響を受けずに済むだろうか」「どうしたら環境がよくなるだろうか」とポジティブな方向で話をするようにしてみるんですね。

悪口は排泄と同じようなものです。先ほど言ったように爽快感みたいなものは得られるかもしれませんが、少なくとも生産的な行為ではありません。しかし、「どうしたらいいのか」という話題に切り替えれば、相手はアドバイスをできるし、一緒になって悩めるわけです。

どうしたらいいのか、一緒に悩む

一緒に悩むっていうのは、何かいい知恵を絞ろうと一緒に考えるともいえます。その時間は生産的で有意義だし、あとから思い出しても楽しい時間になるでしょう。誰かに対して不満があるから悪口につながるわけですが、その不満をただ単に排泄するのではなく、「どうしたらいいのか」という話につなげてみてください。

不満というのは上手に活かせるものなのです。言い方を変えてみる、着地点を変えてみる、これを意識してみたらいかがでしょうか。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。