トヨタPhoto:Diamond

新型コロナウイルス禍に円安、資源・原材料の高騰、半導体不足など、日本企業にいくつもの試練が今もなお襲いかかっている。その中で企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はトヨタ自動車、ホンダなどの「自動車」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

自動車5社は約2~6割の大増収も
最終利益で明暗分かれる

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の自動車業界5社。対象期間は22年8~12月の四半期(5社いずれも22年10~12月期)としている。

 各社の増収率は、以下の通りだった。

・トヨタ自動車
 増収率:25.3%(四半期の営業収益9兆7547億円)
・ホンダ
 増収率:20.3%(四半期の売上収益4兆4382億円)
・日産自動車
 増収率:28.6%(四半期の売上高2兆8374億円)
・スズキ
 増収率:32.7%(四半期の売上高1兆1953億円)
・SUBARU
 増収率:58.8%(四半期の売上収益1兆571億円)

 前四半期に引き続き、自動車業界5社はいずれも2桁増収を達成した。

 半導体不足が長引いているものの、海外事業における円安の恩恵もあり、各社は売り上げの面では新型コロナウイルス禍による低迷から復活を遂げつつあるようだ。

 ただし、利益面では優勝劣敗が鮮明になっている。第3四半期累計の最終利益において、3社が増益となった一方、残る2社は減益に沈んだのだ。

 最終増益となった3社の中には、最終利益が2.5倍に拡大した「勝ち組」企業が存在する。一方、最終減益となった2社には、4割超の大減益となった「負け組」企業が含まれている。

 利益面で勝者・敗者となった企業はどこなのか。次ページでは各社の増収率の推移と併せて、利益面について詳しく解説する。