高騰と金利上昇に勝つ!「マンション&戸建て」購入術大全#6Photo:PIXTA

マンションの価格高騰と供給減で人気が高まる戸建て。首都圏の新築戸建ての平均価格は、2018~22年でおよそ20%も高騰したが、その将来価格は維持されるのか?経済変動リスクと人口動態を基に、30年における戸建ての将来推定価格シミュレーションを駅別に行った。特集『高騰と金利上昇に勝つ!「マンション&戸建て」購入術大全』(全9回)の#6では、その「首都圏編」を公開する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

「週刊ダイヤモンド」2023年2月18日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

経済変動リスクと人口動態からシミュレーション!
戸建ての値上がりが期待できる駅はどこ?

 マンションにおける価格高騰と供給減、さらにコロナ禍によって人気が高まる戸建て。マンションに比べると安定して推移していた首都圏の新築戸建ての平均価格は、2018年からにわかに上昇を始め、同年の3468万円から22年の4128万円へと、およそ20%も高騰している。

 だが、その将来価格はどうなるのか。不動産価格はその時々の景気によって、大きく左右されることは言うまでもない。そこで今回は経済変動リスクに主眼を置いた、今から約7年後の30年における、1都3県と関西2府2県の戸建ての将来推定価格シミュレーションを駅別に行った。

 シミュレーションでは、代表的な経済指標(日経平均株価、10年国債利回り、対ドル相場)の過去データに加え、30年の推計人口を加味して、最寄り駅別に一般的なサイズの木造戸建て住宅の価格を算出した。

 そして、景気がほぼ現状のまま推移した場合の「平均シナリオ」、現在よりも上振れた場合の「楽観シナリオ」、逆に景気が後退した場合の「悲観シナリオ」という三つの推定価格と、30年時の土地代と減価償却した建物代を足し合わせた「積算価格」を凡例に従って掲載している。

 中でも注目してほしいのは、悲観シナリオの推定価格(凡例③)と積算価格(凡例④)だ。③と④の価格を比較して、③の方が大きいならばリスクが低く、逆に③の方が小さいならばリスクが否定できない駅といえる。

 次ページから、シミュレーションの首都圏を掲載するが、結果を俯瞰すると、首都圏では都心、郊外を問わず地価の上昇が近年著しい駅ほどリスクが想定されることが見て取れる。

 戸建て購入の際に、少しでもリスクを避けるための参考にしてほしい。