前回は、体内時計の働きに基づいて「食べる時間」を重視する、時間栄養学に沿った食べ方の概要を紹介しました。今回は特に朝食に注目。時間栄養学の観点で、健康やダイエットにつながる朝食の食べ方を、より具体的にお伝えします。(管理栄養士 岡田明子)
時間栄養学的に見た「朝食の役割」とは?
私たちの体内時計は、朝の光と朝食を取ることでリセットされます。さらに最近の研究では、朝食を取らないと、肥満やメタボリックシンドローム、2型糖尿病、冠動脈心疾患などの原因になるというデータも出てきています。
朝食を食べない場合は、夕食から次の食事までの時間が空くため、昼食時に急激な血糖値の変化が起こります。この血糖値の乱高下の繰り返しが、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などのリスクにつながるのです。
また、文部科学省の「平成29年度全国学力・学習状況調査」によると、毎日朝食を取る児童生徒ほど、学力調査の得点が高い傾向にあるというデータがあります。朝食を抜くと、脳のエネルギーが不足して集中力や記憶力の低下などにつながり、仕事のパフォーマンスも落ちてしまいます。