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新型コロナウイルス禍に円安、資源・原材料の高騰、半導体不足など、日本企業にいくつもの試練が今もなお襲いかかっている。その中で企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はNTT、ソフトバンク、KDDIの「通信」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

通信3社が全社増収
長引く「官製値下げ」の悪影響を打破

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の通信業界3社。対象期間は2022年8~12月の四半期(3社いずれも22年10~12月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・NTT
 増収率:8.3%(四半期の営業収益3兆2864億円)
・ソフトバンク
 増収率:6.0%(四半期の売上高1兆5369億円)
・KDDI
 増収率:3.8%(四半期の売上高1兆4421億円)

 通信業界の3社は、いずれも前年同期比で増収となった。第3四半期累計の決算でも、各社はそろって増収を達成した。
 
 だが実は、政府の携帯電話料金値下げ要請を受け、21年3月に格安の新料金プランを導入した影響が長引き、3社では通信料収入の減少が続いている。

 にもかかわらず、3社が増収を成し遂げられた要因は何なのか。

 次ページでは、各社の増収率の推移と併せて、通信料収入の減少をカバーした事業について詳しく解説する。